「ニュース女子」問題とは

テレビへの信頼感を利用して 沖縄へのデマやヘイトが拡散された。

 2017年1月2日にMXが放送した「ニュース女子」は、沖縄で基地建設に反対する人たちをテーマに取り上げながら、一切、取材せず、「暴力をふるう」「救急車を止める」「テロリスト」「日当をもらっている」「中国人や韓国人がたくさんいる」「沖縄では米軍基地反対の声は聞かない」などと誹謗中傷しました。

 また、人権団体「のりこえねっと」の共同代表をつとめる在日コリアン三世の辛淑玉さんを名指しして、基地建設反対運動の「黒幕」にでっち上げました。

 テレビの地上波で公然と放送されたこと、東京新聞論説副主幹(当時)の長谷川幸洋氏が司会を務めていたことでデマが権威づけられたことを、私たちは特に問題視しました。

 

BPOが「偽ニュース」と認定

 MXや番組制作会社のDHCシアターが開き直りの見解を公表するなか、私たち市民有志は放送直後から18年3月まで、定期的にMX前で抗議行動を続けました。

 「ニュース女子」は放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会でも審議され、「取材の欠如を問題としなかった」「裏付けの確認をしなかった」「侮蔑的表現のチェックを怠った」など考査の問題点をあげ、「重大な放送倫理違反があった」と結論づけました。BPOの放送人権委員会も「辛淑玉さんに対する名誉毀損の人権侵害があった」と認めました。

 こうしたなか、MXは2018年3月末で「ニュース女子」の放送終了を決定。これを受けて市民有志も定例の抗議行動を閉じました。とはいえ、MXは訂正・謝罪をしていないため、活動は継続中です。(2018年5月以降の動向は「ニュース女子」問題のいま